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IDEA・04

医療従事者の皆様へ
エタノール缶

新型コロナウイルス-エタノール不足

Outline

概要

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、各地で消毒用エタノールが不足。特に医療現場における消毒液不足は大きな問題であり、自治体も頭を悩ませていました。消毒用エタノールを製造するメーカーは増産対応をするも高まる需要に供給が追いつかず、一部報道では「容器不足」が取り上げられる状況が起きていました。そんな中、神奈川県庁から1本の電話が・・・

Challenge

新型コロナウイルス-エタノール不足

その時期に別の取り組みでご一緒していた神奈川県庁も県全体の深刻な消毒用エタノール不足に悩まれていました。
そんな中、厚生労働省は消毒用エタノールの全国的な不足を受け、特定アルコール(高濃度アルコール)を希釈して手指消毒エタノールの代替として利用することを特例的に認めました。しかし、一般的に高濃度アルコールは、一斗缶(約18L)ないしドラム缶(約200L)といった単位で扱われる事が多く、医療施設等で希釈(70~80%に濃度を薄める)し詰め替える作業には向かない上、危険物なので取り扱い(輸送や保管)が難しいという課題がありました。更には詰め替え用を含む既存の消毒液の容器は需給が逼迫している状況。さまざまな課題がある中で、総合容器メーカーである東洋製罐グループは、試験研究用の設備を使いこれまでとは違う容器への充填を行いました。

Solution

エタノール缶

TOLAS(ボトル缶)の採用

消毒用エタノールはどのメーカーも増産体制にあり、対応する容器の需給も逼迫している状況でした。総合容器メーカーの東洋製罐グループは、他のプラスチックボトル、ぴん、PETボトル、缶などの代替容器の中から、アルコールへの耐食性、詰め替え易い形状、供給力、充填スピードなどからコーヒーなどに使われるボトル缶のTOLASの採用を決めました。

グループの力を結集し、たった1ヶ月での超スピード対応

神奈川県から具体的な依頼があったのが2020年4月2日(木)。そこからすぐにプロジェクトチームの立ち上げ、資材の調達、経産省や厚生労働省、消防局などの関係省庁への連絡を行い、2週間後の4月17日(金)にはサンプル缶100缶を神奈川県庁に納品。4月29日~5月4日までの6日間で約35,000缶(約14,000L)を充填し、納品しました。

なんとか社会の役に立ちたいという皆の熱い想いが一つとなり緊急事態宣言が発令され多くの社員がリモートワークに移行している中にも関わらず、グループ会社含め200名を越える方々が驚異的なスピードで検討を進めていきました。

医療従事者の皆様へ

出荷されたエタノール缶は神奈川県庁を通して、神奈川県内の医療機関に配布されました。およそ1ヶ月分となるエタノールの在庫が確保できました。4月30日(木)に行われた黒岩神奈川県知事の会見では、「皆が一体となって戦う姿勢を体現された東洋製罐グループの心意気に感謝を申し上げたい」と御礼の言葉を頂きました。

100年以上続く総合容器メーカーとしての技術力で、必要としているものを必要としている方に安全にお届けする。やりたい、やるべきだという気持ちで、たくさんの創意工夫を生み出し、出来そうにないことを可能としていきます。