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IDEA・08

月の砂"レゴリス"から生成するガラス

宇宙環境での新しく豊かな生活を支える

Outline

概要

東洋製罐グループは、地球と宇宙の食の課題を解決する共創プログラム『SPACE FOODSPHERE』に参画。月面基地における「循環」・「地産」・「QOL(Quality of Life)向上」の実現を目的として、 2040年代に月面基地に1,000人が居住することを想定し、 地球と宇宙の食の課題解決を目指しています。東洋製罐グループとしては、宇宙環境での生活を、 “容器“の領域でサポートすることを検討しています。

Challenge

宇宙環境での新しく豊かな生活を支える

月面基地における「循環」・「地産」・「QOL(Quality of Life)向上」の実現に向けて、月面の砂でガラス容器をつくることができないかと私たちは考えました。そして、月面の砂“レゴリス”と同組成の模倣土を基に、多くの容器に活用できるガラスを生成することに挑戦し、ガラス化に成功。地球の枯渇資源を使用することなく月でガラスを生産できる可能生があることがわかりました。
ガラス容器は美しく、現在も私たちの生活を豊かにしてくれるものであり、宇宙でもその役割を果たしてくれる存在であると考えます。
また高温で溶かすことで繰り返し再生できるため高いリサイクル率を実現することができ、資源が限られている宇宙環境において非常に有効な容器となることができます。

Solution

月の砂"レゴリス"から生成するガラス

月の砂レゴリスの特性を活かした容器づくり

生成に成功したガラスは、鉄分が多く含まれているため、光沢のある濃い黒色が特徴となっています。ガラスの生成過程において鉄などの不純物を取り除く地球上の技術を応用することで、宇宙空間でガラスだけではなく鉄も生成できる可能性があります。資源の限られた宇宙空間で様々な素材を活用したプロダクトの展開も検討しています。

月産月消による、未来の容器製造

将来的には容器の地産地消ならぬ、月産月消を目指し、月という環境下でどのような容器や食器の開発が実現可能なのか、太陽光の熱などを使ってガラスを作るなど宇宙ならではの製造方法の模索や実験を行い、新たなイノベーションを目指していきます。

宇宙での食事を諦めない

現在、宇宙に飛び立ち滞在ができる人は専門知識を持ちトレーニングを積んだ一部の方々のみです。しかし、近い将来多くの人が宇宙に滞在する世界が待っているかもしれません。そのときに重要となるのが「食糧」ではなく「食事」です。ただの栄養補給ではなく、精神的にも人を支えるのが「食事」。SPACE FOODSPHEREでは様々な業界のトップランナー達が知恵と技術を集結し、宇宙での食体験を解像度高く描いています。月面で育てたレタスや藻や培養肉、それを支える循環環境、限られた食材をそれぞれの人に合わせてバリエーションを持たせるシェフの工夫など、多くの力が合わさる宇宙での「食事」は人類にとっての明るい希望とも言えるでしょう。

(※写真は宇宙で調達できると想定される食材からつくられた料理。器は本ガラスを使った場合のレプリカです)

Information

お問い合わせ先

東洋製罐グループが参画する『SPACE FOODSPHERE』は地球と宇宙の共通課題である「食」の課題解決を目指す共創プログラムです。
リアルテックホールディングスやJAXAらが主導し、多種多様な50以上の企業、大学、研究機関等のキーマン、プロフェッショナルが集い、
分野横断的、かつ有機的な連携による研究開発や事業創出に向けた活動を推進しています。

詳しくはコチラhttps://spacefoodsphere.jp/

東洋製罐グループホールディング株式会社 イノベーション推進室
mail:open-up@tskg-hd.com