丹羽 真理
幸せな組織作りからイノベーションが生まれる

「働くことは、幸せですか？」―そんな問いかけに「はい」と答えられる人は、どれだけいるでしょうか。
私達には、少なからず「働くことは大変なこと」「我慢すること」という潜在意識があるのかもしれません。

そう語るのがIdeal Leaders株式会社の共同創業者であり、CHO（Chief Happiness Officer）の丹羽真理さんです。そんな丹羽さんをお招きして、2019年5月～10月までの半年間に亘り、東洋製罐グループ向けに連続ワークショップ（全6回）を実施いただきました。

パーパス・マネジメント（Purpose Management）の著者である丹羽さん。幸せな社員はそうでない社員に比べ生産性+31%、売上+37%、創造性3倍も高いそうです。つまり、社員が幸せだと、会社が儲かる。
重要なのは「自分が意義を感じられる仕事を、自分らしく、周囲と良い関係を築きながら、実現できること。そのための土台として心と身体の健康が備わっていること。」

全6回のワークショプではグループ会社10社、45部門、令和入社の新入社員から役員の方まで延べ200名にご参加頂きました。部門や役職を超え、会社・自分の存在意義（Purpose）、自分達の強み（Authenticity）、周りの人との関係性（Relationship）、ベースにある心身の健康（Wellness）についてワークショップを重ねました。

第1回：パネルディスカッション
丹羽さんによる仕事における幸せやCHOの役割についてのご講演後、社内有志団体「ワンパク」の有志メンバーとディスカッションを行いました。事前アンケートで「働き方を変えたい」という方が全体の7割を占める一方、改革が進まないのは「変革を好まない風土」という回答が多く、思っている事との現実にギャップがありつつも、新しいことを始めたいという皆さんの意思が強く感じられました。

第2回：PARWワークショプ
自分達がCHOになったら何をするか！？チームに分かれ、23の具体案が出てきました。普段と違うメンバーで集まるテーマ別ランチ会、出身地や自分のHappyなどを記載するやわらかい社員名簿、難しい社史をみんなで読みながら会社のパーパスを理解する読書会など、どれもすぐに始められる素敵な案でした。

第3回：Purposeワークショップ
ディスカバリーインタビュー（ペアワーク）で自分の存在意義を言語化し、更にそれを絵にすることでイメージを強めました。普段は意識していない自分の存在意義を感じ、「私ってこんな事を思っていたんだ！」と覚醒する方が続出。

第4回：Authenticityワークショプ
自身の最高価値を発掘し、更に周りのメンバーの価値を理解し合うことの重要さを学びました。部下を引き連れて参加した役員の方も、各メンバーの最強エンジンを理解し、「今後の仕事がますます楽しみになりました」と喜んでいました。

第5回：Relationshipワークショップ傾聴編
相手だけではなく、自分自身のパフォーマンスを上げる具体的手法を身につけました。最初はワークショップでお互いの目を見るだけで照れ笑いを浮かべていましたが、徐々に緊張下でもパフォーマンスが出せるゾーンに入る感覚を皆が感じた瞬間は鳥肌ものでした。

第6回：Relationshipワークショップフィードバック編
相手が自ら一歩踏み出してくれるフィードバック方法を習得。ワークショップ直後に実践した社員は、「入金が無くメールにも返信してくれなかった海外の取引先にこの手法を使った所、すぐに返信がきて入金がされた！」と驚きの効果があったことを教えてくれました。

とにかくあっという間の半年間！なにより、普段は顔も名前も仕事も知らない同じグループ会社の社員が垣根を超えてワークに取り組む経験は、今後の東洋製罐グループのイノベーション推進に大きな意味をもたらすことでしょう。

全ワークショップ終了後、丹羽さんに今回の取り組みについての感想とメッセージをいただきました。

全員にお目にかかったわけではないですが、参加された方々の雰囲気をみると色んな部署や年代、会社があるのを気づかせないくらい風通しがよいと感じました。

みなさんとても真面目で真剣に話しを聞いてくださり、ちょっと恥ずかしいようなワークも真摯に取り組んでいただきました。
きっとここにいる皆さんは東洋製罐グループをそして世の中を本当に良くしたい方々なんだと。

一方で会社を、世の中を変えたいけど変えられないと葛藤している方々も多いと思います。
180度ドラスチックに変えるのは確かに大変です。そこに怖じ気づくのも当たり前のことです。
でも大切なのはちょっとの変化や、小さな取り組みでもいいので始めることです。

価値観を変える、強みを活かす、会話の仕方を変える。
たった1°でも角度を変えることができれば良いんです。
まずはできそうな事から始めましょう。

東洋製罐グループの中で、CHO「幸せ係」の役割を担う方が少しでも増えて頂ければとても嬉しいです。