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IDEA・15

資源回収を楽しく、身近に
キャプテンBOX

資源回収-分別の負荷-

Outline

概要

「キャプテンBOX」は、上部からペットボトルのキャップを入れ、レバーではじきながらゴールを目指すゲームが楽しめる仕掛けです。回収したキャップは循環再生にむけた研究開発に利用します。「キャプテンBOX」はキャップで点(テン)を決める回収箱(BOX)という意味で、スポーツにおけるキャプテンのように責任感とリーダーシップを持って、ゲームを楽しく進めて回収・分別を行って欲しいという想いを込めています。

Challenge

資源回収-分別の負荷-

近年では環境問題としての容器の在り方が問われています。容器を使い捨てるのではなく、循環し、再生できる仕組みが必要です。しかし、そのためには、しっかりと分別・回収することが重要で、なかなか簡単ではありません。缶・びん・PETボトル・ダンボールといった見た目でわかりやすい容器はリサイクル率も高いですが、プラスチックの包装容器は素材の判別も難しく、分別と回収を進めていくにはハードルがあります。

Solution

分別したくなるPETボトルキャップ回収機「キャプテンBOX」

リサイクルをゲーム感覚で

「キャプテンBOX」は、ペットボトルキャップを使用した新しいゲームでありながら、一昔前に駄菓子屋にあった10円玉でゴールを目指すゲームを思い出すようなレトロ感も兼ね揃えています。子供から大人まで誰もが楽しめる設計になっています。シンプルな構造でありつつ、車いすや小さなお子様でも手が届きやすい高さ、片手でも遊べるレバーなど、より多くの方にリサイクルを身近に感じてもらう仕掛けが満載です。リサイクルを意識するのではなく、楽しんでいるだけで結果的に資源が回収できることを目指しています。

資源回収だけじゃない、様々な効果

2022年5月より、鹿島アントラーズの下部組織が活動するつくばアカデミーセンターに「キャプテンBOX」を常設しています。練習前に遊ぶため、家からPETボトルキャップを袋に入れて持ってくるアカデミー生が増えました。また飲み終わったPETボトルは、キャップはゲームに利用し、ボトルはその隣のリサイクルボックスに入れるという習慣が自然とついてきているそうです。コーチ陣からは、「練習前に皆で遊んで談笑することで、遅刻するアカデミー生も減った」、「チーム内のコミュニケーションが増えることで、プレーにおいてもよい連携が生まれることが期待される」など、様々な効果が期待されています。

大阪大学大学院経済学研究科 松村真宏教授からのコメント

「それまで価値がないと思っていたモノでも、ちょっと見方が変わるだけで価値は生まれます。僕が小学生のときは給食の牛乳瓶のキャップはメンコ(当時は「べったん」と呼んでました)をするための貴重なアイテムであり、皆で競うように収集してました。それと同じようなことを起こそうとしているのが「キャプテンBOX」です。キャプテンBOXを前にすると、PETボトルのキャップは途端に貴重なアイテムに変わります。そうなると、もはやキャップを分別しないといけないという発想はなくなり、キャップで遊びたいという楽しみだけになります。本人は遊びに夢中になっているだけなのですが、それが結果的にキャップの分別回収につながっているという点が、非常に仕掛けらしい試みですね。」